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ストレスチェック見直しのポイント

ストレスチェック見直しのポイント

義務化になったストレスチェックを実施したけれど、お金を掛けただけのことがあるのだろうか?

高ストレスの人で面接指導を受けていない人は大丈夫だろうか? 高ストレス一歩手前の予備軍の人は・・・?

会社のメンタルヘルス全体に、どう連携させ活かしていったらいいのだろうか?

いろいろな疑問を持ちながらストレスチェック制度に取り組むご担当部門の方も多いと思います。

こちらのコーナーでは、「せっかく実施するなら『義務だから・・・』ではなく、メンタルヘルス向上の

『チャンス』としてできるだけ活用していこう」という考えに立ち、ストレスチェックの進め方の

見直しのポイントを、次の4つに整理してご提案してまいります。

 

1 ストレスチェック実施の「環境」を整える

2 ストレスチェック実施時の留意点

3 高ストレス該当者等への事後のフォローについて

4 集団分析の活用

 


 

1 ストレスチェック実施の「環境」を整える

 

●大切なことは「心の環境」づくり

ストレスチェック制度の導入にあたっては、衛生委員会で審議をして実施ルール、実施方法などを取り決め・・・とたいへんなご準備があったかと思います。制度の指針、枠組みに沿った実施の環境はしっかり整っている、という状況の中で、ストレスチェックを十分に機能させるために最も重要なポイントが、対象となる従業員全員の「心の環境」づくりです。

心の環境づくりに不備があると、

 △ 受検率の低下 

 △ 意図的な回答の変更 (「良い結果」「悪い結果」になるように回答する)

 △ 医師面接等への消極性

といった問題につながる可能性が高まり、ストレスチェック制度が十分機能を発揮できないことになります。

それでは、このような問題を避けるために、どのような心の環境づくりが必要なのでしょうか。そのポイントは3つ。

 ① 目的の理解

 ② ルールへの信頼

 ③ セルフケア・マインド

順番に詳しくみていきましょう。

 

 

①目的の理解

このストレスチェック制度の目的は、「ストレスによる健康トラブルの発生予防」です。身体の健康診断と同じように、その結果を個人が受け取り、自分の状態について理解し、病気につながるかもしれない状況があれば改善する、健康の向上への努力をさらにすすめる、ということがまず基本にあります。

ただ、健康診断の結果は会社側も把握するのに対して、このストレスチェックの結果はより高度なプライバシーとして会社は本人に無断で結果を取得してはならない決まりになっています。要するに、「会社が見るためにやる」ものではなく、自分自身で健康づくりに活用するためにやるもの、という点を確実に理解するよう、事前の周知広報をしっかり行うことがまず重要になります。

②ルールへの信頼

ストレスチェックでは、特に重要なルールとして、「会社は本人に無断で個人結果を取得しない」「ストレスチェックへの応否や結果によって不利益な処遇をしてはならない」ということがあります。事前の周知広報の第一段階として、まずルールとしてこういうことが法令できちんと定められていることを伝えることが必要です。

ただし、その法令通りに会社が運用してくれている、という信頼感・安心感は、もう少し広範で多面的な要因も関係してきます。例えばストレスチェック制度の実施体制や実施方法がしっかりルールに沿ったものになっているか。また、日頃からの従業員の個人情報に対する取扱いの厳格さや、健康問題に関する会社全体の対応といったことも、この「信頼」に影響する要因となるでしょう。

最近では「健康経営」という考え方も注目されていますが、会社が社員1人1人の健康を会社にとっても大切な資本と考えていることが様々に具現化されている組織では、こうした信頼獲得に心配はないと思います。

③セルフケア・マインド

自分の健康を自分で守る。これは当たり前のことかもしれませんが、健康度を高めることは、個人の生活や人生にとっても、仕事にとっても大切なことで、その両方に相乗的な影響がある、という認識をしっかり持つこと、その上で自分の心身の健康に積極的に関わる姿勢が大切なポイントだと思います。

会社としては、こういう意識を高めるような、健康教育、健康情報の提供、健康関連施策の充実が求められることになります。会社が個人の健康に大きな関心を持ち、サポートしようとしている、ということが、従業員にしっかり伝わり、こうした意識が浸透することは、ストレスチェックの適切な実施を大きく後押ししてくれることになるはずです。

 

特に、②や③は一朝一夕に整えられることではないと思いますが、長い目での努力ポイントとしてぜひご考慮ください。

 

2 ストレスチェック実施時の留意点

 

「実施体制」と「実施方法」に配慮

ストレスチェックの実施に際して、特に重要なことは「実施体制」と「実施方法」です。ここに問題があると、やはり1の「心の環境づくり」のところで指摘した「受検率の低下」「意図的な回答の変更」「医師面接等への消極性」といった問題が増えることにつながります。

①実施体制について

ストレスチェックでは、個人結果を取り扱う「実施者」と、そのサポートをする「実施事務従事者」、会社側で制度の運用実施にあたる「事業者管理者」という3つの主な役割があり、役割を分けることでプライバシーがしっかり管理されているということを周知する必要があります。

実施者を会社の登録産業医が務める場合は、日頃の産業医の活動状況や存在感、印象なども、安心感を大きく左右します。

また実施事務従事者を人事総務部門など内部の人が務める場合は、法律上厳格な守秘義務が課せられることになりますが、「人事のあの人が結果を全部知ることができるなら、会社に筒抜けだ」といった心配が残ると、やはり回答への影響が懸念されます。

十分にルールを周知してもプライバシーに関する社員の不安や、担当者本人に守秘義務の重圧が懸念される場合は、実施者・実施事務従事者業務そのものを、外部委託するという選択もあります。これは、コストはかかりますが、個人結果に関わるプロセスを専門機関に任せることで情報の取扱いへの信頼性が高まり、社員の安心感を得やすくなり、社内の負担も小さくなるという大きなメリットがあります。

②実施方法について

ストレスチェックの実施を用紙で行うにせよ、PCで行うにせよ、その方法が回答者への負担がより少なく、安心して回答できるものであることがまず大切です。また、その結果処理をどこで誰が行うか、ということは、プライバシー保護への安心感を大きく左右します。

PCシステムの場合は、回答や結果のデータがどこにどういう形で保存され、誰がそこにアクセスできるのか、といったことがあり、どうしても社内の特定の端末で実施やデータの保管を管理しているとなると、データ保全に関する信頼性は乏しく、担当者の管理負担も大きなものとなります。

M-Check+のようなクラウド型のシステムでは、個人の結果がアカウントにより確実に守られていることが理解されやすく、何よりも情報保護に関する管理負担が大きく低減できるというメリットがあります。

一方、用紙で実施するケースでは、用紙の設計、用紙の回収方法、結果の配布、保存などのプロセス全体を丁寧に管理することが大切です。

 

3 高ストレス該当者等への事後フォロー

 

ハードルが高い医師面接

高ストレス該当者へ医師の面接指導の案内や勧奨を送っても、なかなか手が挙がらない、という声を多く聴きます。

面接指導の申出が会社に認知され、自分が高ストレス該当者であることやチェックの結果も開示されることが従業員にとってはやや高いハードルになっていると思われます。

このハードルを少しでも下げるためには、この医師面接が、本人の抱える高ストレス状況の背景要因を専門家の視点から検討し、職場要因で改善すべき問題がある場合は、医師からの報告を通じて会社が適切な改善措置を講じるという筋道を開くものであるという本来の主旨と、そのプロセスで不利益な扱いを受けることはないというルールを十分説明することがまず第一に重要です。

また、面接の調整、実施にあたっては、社内の連絡調整、現場上司への説明などにおいて、不用意に本人の情報が周囲に広がらないよう慎重、丁寧な配慮も大切です。

 

第二、第三のサポートの提供

会社に申し出なくてはならない医師面接には抵抗があるが、専門家の支援は受けたい、と考える対象者のためのフォローの整備も、重要なポイントです。

産業医が十分機能している場合では、ストレスチェック制度上の医師面接指導ではなく、日常の産業医活動の一環としての健康相談を利用するという方法を奨める会社もあります。こちらの場合、ストレスチェックの結果情報を会社に開示する必要がありませんので、よりハードルは低く、また場合によっては産業医から会社への環境改善に関する助言も期待できます。

また、さらに従業員にとってハードルが低いのは、外部の相談窓口です。加盟する健康保険組合で提供するカウンセリング窓口、EAP契約機関の相談窓口などがあればその情報を併せて提供することが求められます。

マインでは、M-Check+の利用企業に、ストレスチェック実施から数ヵ月に限ってカウンセリング窓口をスポットで利用できるオプションも提供しています。

 

4 集団分析の活用

 

見過ごされがちな集団分析の重要性

集団分析の実施は、ストレスチェック制度の中では「努力義務」と位置づけられていることから、軽視されがちな傾向があるようです。しかし、専門家の中には、「集団分析にこそ、ストレスチェックを会社ぐるみで行う意義がある」という人もあります。

その理由は、上で述べた医師面接指導を受ける人がごく一握りに限られることから、多くの高ストレス該当者がそのまま過ごしてしまうこと、そのため会社として個人の高ストレス状況の背後にある組織的問題に気づかないままになってしまう可能性が大きいことです。

集団分析によって、会社組織のどの部分にどのようなストレス状況が現れているのか、を読み取ることができれば、組織に潜在する高ストレス者、あるいはその予備軍の人々への支援を、環境改善という筋道から提供する道が開かれるのです。

ストレスチェックを実施しても、医師面接指導のフォローまでで済ませてしまっては、せっかくの会社ぐるみで一斉に同じチェックを実施する、というチャンスを生かし切っていないことになります。

 

集団分析を最大限に活用するために

集団分析を十分に活用するためには、分析方法やコストが重要な条件になります。外部機関にストレスチェックの実施を依頼するケースが多いと思いますが、集団分析がすべてオプションで、分析方法毎にコストが生じるようなケースでは、詳細に検討したくてもコストとの見合いで必要なデータが得られない、ということもあるでしょう。

M-Check+はサービスの設計思想として、集団分析を最大限に活用してもらうことを特に重視しています。そのため、すべての集団分析機能を標準装備としました。社員情報とともに登録した所属組織の情報や、「役職」「職種」「年代」などユーザーが任意に設定登録した属性情報で分類し、「健康リスク値」「尺度別の評価点割合」「尺度別平均値」をそれぞれに表示して比較検討ができます。

したがって、会社全体の状況>組織別、属性別の状況>複数の条件をクロスさせた分析と掘り下げていくことで、相対的にストレスリスクの高い部署や属性がどこにあるか、どのようなストレス要因が特に高いか、といった状況を詳しく調べることができます。

これらの結果は、全社状況を衛生委員会で報告したり、各部門へのそれぞれの部門別状況のフィードバックをしたり、研修プランを作る際に対象層やテーマを絞るために活用するといった形で、様々に組織改善に役立てていくことが期待されます。

ここまで活用すると、ストレスチェック結果も十分に生き、投入したコストも十分に取り戻したと言えるのではないでしょうか。