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MMHI plus No.8<異動・昇格の環境変化とストレス>

MMHI+Banner.png春は変化の季節です。去る人、来る人。そして異動、転勤・・・

様々な環境変化が起こります。環境変化は、時に大きなストレス要因にもなるもの。

今回は特にストレス不調のきっかけとなりやすい異動や昇格に伴う

環境変化のストレスについて考えてみましょう。

 

 

 

●多様化する環境変化のストレス・トラブル

新規入社、異動や転勤、などで人が大きく動く春。こうした環境変化への適応につまずき、会社や学校に行きたくない、という人が連休過ぎ頃から増えることから「5月病」と言われた時期もありました。しかし実際には環境変化にともなうストレス・トラブルは、時期も現れ方も実に様々です。

新入社員に関しては特に学生生活と社会人生活のギャップが大きく、大きなストレスがあります。それだけに受け入れ側でも、入社前の準備に始まり様々な研修教育プログラムなどが準備され、組織ぐるみで可能な限りのスムーズな適応への支援が行われているケースが多いと言えるでしょう。

これに対して、意外にサポートが乏しくなりがちなのが、異動や昇格などによる環境変化に直面するケースです。

 

●「質的」な環境変化の大きさに特に注意

昇進・昇格者や、実績を評価されて新たな職務に配置が変わった人々は、会社にとってさらなる活躍が期待される人材ですから、ストレスで不調に陥ることがあれば本人のダメージばかりでなく組織にとっての損失も大きくなりますので、特にケアに配慮したいところです。

中でも要注意なのは、環境の「質的」な変化が大きかった人、そして様々な変化が重複している人です。質的な変化の大きさとは、例えば技術的・専門的な職務から営業職への異動など仕事の内容ががらりと変化した場合や、技術専門職からリーダーや管理職への昇格のように、一人で自分の技量だけで仕事をして成果を上げてきた人がチームマネジメントや部下育成という全く異なるスキルを求められるようになった場合などです。

経験やスキル、知識を持ち、その点では自信やプライドがあっても、それがコミュニケーションやリーダーシップという異なるスキルの壁に阻まれて、うまくリーダーとしての成果に結びつけられないという状況が、しばしば大きなストレスリスクにつながります。

 

●ストレスの重複、本人の性格にも配慮が必要

また、地域性の大きく異なる地方への転勤、家族と離れる単身赴任などでは、仕事のみならず生活面でもストレス要因が増大する可能性があります。昇格でも、同じ職場の中での昇格と、別の職場の管理職になる場合、さらに遠隔地への転勤でコミュニケーション文化や生活環境も大きく変わる場合では、重なるストレスが大きく変わって来ます。これらの要素が極端な形で一気に重なってしまいやすいのが海外赴任です。

経験を重ね現実対応力やストレス耐性をある程度持っている人は、「新しい環境に早く馴染んでいこう」、「周りの期待に応えよう、結果を出そう」とモティベーションを高めつつ環境変化のストレスに立ち向かって頑張ろうとします。そのためついつい“頑張り過ぎ”がちになります。特に「責任感が強い」「弱音を吐かない」「人に頼らない」というタイプの人はSOSが出せないまま不調に至ってしまうリスクが高まりますので、注意が必要です。

 

●コミュニケーションを軸としたサポート体制づくりを

このような可能性を考慮して、事前の段階での適性の検討を行うとともに、異動・昇格後は、健康チェックをこまめに行ったり、上司などによる定期的なカウンセリングや、同様のポジションにいる人が相互に日常的に交流・対話できる場づくり等のサポート体制をつくることなどがリスク低減につながります。特に家族も含めてさまざまなリスクを抱えやすい海外赴任については、赴任前から赴任中、帰国後に至るまで、一貫してサポートする体制も求められます。

現在では社内SNS的なシステムを活用している企業も多く、こうしたインフラを活用すれば、客先勤務のような形態の職務や、散在する小人数の事業所で孤立しがちな管理者たちにも効果的なサポートが提供できるのではないでしょうか。

日頃から健康や生活状況も含め、何かと話しあえるコミュニケーション回路が一つあると、客観的に自分の状況を振り返ったり、問題の肥大化や先送りを回避する上でたいへん有効と思われます。